「悠里・・・何の真似だ」
「・・・なんだと思う?
分からない?」
悠里の有給の消化に合わせて、
オフを作った。
明日は二人でゆっくり過ごそうと、
楽しみにしながら、夕食を用意して・・・、
そのうちに、寝入ってしまったのだった。
目が覚めたら、
後ろ手に手錠がかせられていた。
「・・・仕返しか!?」
「そう、・・・正解です!
先日を再現してみました。
目には目を、歯には歯をと言うでしょう?
瞬君、反省した?」
「悠里・・・俺の愛情を確認したかったのか?
言ってくれればいろいろしてやったのに。
意外とシャイなんだな・・・」
「・・・反省の色欠片も無し、と。
ひとが寝ている間に勝手に拘束をしてはいけないのよ。
どう? 自分がされて、嫌だなって思ったでしょう?」
「・・・いや、別に」
「何でよ!」
「俺としては、悠里が近くにいるならそれで」
この状態で放って置かれたら、
流石にそれは嫌だが、
悠里は基本的にお人よしなのだ。
せっかくの貴重なオフを、
台無しにするとは思えない。
なんだかんだで俺の世話を焼くに違いないし、
それなら問題無い。
「大体何で後ろで手錠をハメたんだ?
俺は、動きやすいように前にしてやっただろう?」
そういえば、俺はソファに腰掛けて寝ていたのだ。
俺の眠りは浅い方だから、
気付かれないように後ろ手に拘束するのに、
きっと相当に苦労したのではないだろうか。
「大変だったわ・・・、清春君に電話して
協力を仰ぎました。
事情を説明したところ、
喜んで駆けつけて来てくれました」
「・・・そこまでするか」
清春も清春だ。
いくら隣人とはいえわざわざ駆けつけるなよ、と思う。
相変わらず嫌がらせのためなら
手間を惜しまないようだ。
「本当、君の台詞じゃないわよ。
この前の件は、もう少し真摯に受け止めて欲しい」
それで一生懸命仕返しをしようと頑張る
悠里は非常に可愛いと思ったが、
口にしたら火に油を注ぐようで黙っていた。
「で・・・悠里。
この後はどうするつもりなんだ?」
「・・・え?」
「・・・まさか、何も考えていなかったのか?」
to be continued
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