言い訳をしたい。
教師にとって、最も忙しい季節は春だ。
学年が変わり、新しい環境に馴染むのに、
生徒が費やすエネルギーも、大きい。
しかし、新しい環境を整える教師側も、
大変なのだ。
分かって、いただけるだろうか・・・。
私は、ついうっかり、
恋人の誕生日を失念していたのである。
スケジュール帳を何気なく見て、
私自身によって書かれた、
ハートマークを見つけて、
明日がその日であると気がついた。
職員室で、私は呻いた。
恋人同士になって、初めての記念日なのだ。
忘れるなんて、ありえない。
幸い、明日は休日だが、
今から慌てて用意する暇などない。
何を買ったら良いのか、分からないのだ。
(ゆっくり・・・時間をかけて選びたかったな)
清春君が喜びそうなもの・・・と言えば、
悪戯用の玩具か、バスケット関連のアイテム・・・だろうか。
悪戯用の玩具は、却下だ。
まず間違いなく私で試される。
バスケット関連のアイテムも、月並みすぎてつまらない。
せっかくなら、喜んで欲しいし、
驚いて欲しい・・・。
いつだって、私のペースをかき乱されているのだ。
意趣返し、と行きたい。
しかし、致命的に時間が足りなかった。
そこで、私は間違えてしまった。
溺れるものは、ワラをも掴む。
・・・B6に、協力をしてもらおうか、と
思いついてしまったのだった。
to be continued
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