狂わせるには十分

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※ 注意
草薙一×南悠里。 中編終幕です、やってます。
しつこいですが・・・、苦手な方はぜひスクロールをやめて、
見なかったふりをしてください・・・!!(fromかみや)









































俺のベッドの中にいる悠里は、少し青ざめていた。



「・・・電気は消すように」

「えっ・・・俺、悠里を見ていたい」

出来れば、目に焼き付けたい。

「君は・・・、もう。
いつかにして。 今日は消して」

「・・・分かった」

消灯には三段階あった。
一番小さい光は、オレンジ色。
俺は割りと夜目がきくので、
実は慣れればこの程度の光量でも、
十分によく見える。
―― 言わないけれど。

「君が帰ってくる前にね、
シャワーを浴びながら、
凄くドキドキしてた。
私の方が、ずっと年上なのに・・・。
情けないわ」

少しだけ湿った悠里の髪。
俺よりも、冷たい悠里の身体が。
温められている理由が分かる。

「俺は、シャワーを浴びない。
悠里に逃げられたくない・・・」

本当に、弱気になったのだ。
嫌われたくなくて、
身動きが取れなくて。

「なあ、あのときの俺が
そんなに怖かったのか?」

「・・・今度、翼君に押し倒してもらえば
私の気分が分かるわよ?」

「げ、先生・・・勘弁しろよ」

「ふふ・・・。 冗談よ」

先生は、俺の背中に手を回した。

「君は・・・時々、私を未だに先生って呼ぶの。
くすぐったくなる・・・」

肌触りの良いシャツの下から、
柔らかい胸に手を伸ばす。
ブラジャーは、着けていなかった。
俺を思って、シャワーを浴びたという先生は。
何と言うか、真面目なひとだと思う。
ノーメイクの唇はやけに無防備で、
貪っているうちに理性がショートしそうになる。
胸の先端を、押し潰して、擦ると。
少しずつ芯を持って固くなる。
悠里は、乱れそうになる息を
コントロールするのに必死で。
俺は少し苦笑した。

「う・・・っ、あ、や、だ・・・」

弄り過ぎて熟れた乳首を舌で慰めると、
先生は嫌がった。

「・・・嫌?
でもほら、少し痛くしたから・・・」

軽く歯を立てると、身体が微かに跳ねる。
先生は、物凄く緊張していた。

「そんなに、緊張するなよ」

「・・・無理言わないで・・・。
緊張するわよ」

先生は、俺以外の誰ともしたことがないのだろうか。
ふと、気になるが、俺は今まで先生の
恋愛遍歴を訊いたことがない。
あって当然だと思うが故に、訊けなかった。

「あのさ、・・・俺が一番、
悠里を好きだと思う」

今までも、これからも。
もしかすると、いたかもしれない、
過去の恋人たちの誰よりも。
それだけは、自信を持って言える。

「だから・・・怖がらなくても、
平気だって」

「・・・うん」

それからはもう、言葉もなくて。
俺は、本当に優しい気持ちで、悠里を抱いた。
あのときはただ、がむしゃらに欲しがるばかりだった。
それでも、欲しい気持ちの強さには変わりなかったと思う。

気を遣って、痛みが少ないようにしたつもりでも。
やはり負担はかかったらしく、
行為の後少しして、悠里は寝入ってしまった。

俺は、その寝顔を見ながら、
本当に欲しかったものは、
それかもしれないと気がついた。
悠里の信頼が欲しかった。
汗で少し湿った身体には、
俺の残した痕がそこかしこに残っていた。
ひとつずつ、指で辿る。

嬉しくて、自然と笑みがこぼれた。
今夜はずっと、眺めていたいと思った。




















卵を片手で割りながら、
朝食の準備をしていると、
目を覚ました悠里が起きて来た。

「おはよう・・・」

シャワーを浴びるようにすすめたが、首を振る。

「先に、珈琲を飲みます」

「分かった。 今日は、学校は無いんだろ?
もっとゆっくりしていれば良いのに」

確か今日は、創立記念日だった筈だ。

「何となく目が覚めてしまったの。
君は、いつも早起きよね」

結局、俺は一睡もしなかったのだが、
それは黙っていることにした。

「身体、大丈夫か?」

「・・・お気遣いありがとう、大丈夫」

火を消して。
力いっぱい抱きしめた。

「・・・あの、一君・・・」

悠里は、寝起きなのでぼんやりしている。

「夢じゃないんだなって・・・、
悠里。 俺は嬉しいぜ!」

先生が、腕の中にいる。

「今日はずっと、いちゃいちゃして過ごそうな!」

「・・・分かったから、放しなさい」

「悠里、照れてる・・・?」

「悪かったわね! その通りよ」

顔を赤くして、
背けようとしている悠里に、
強引にキスをした。

シャワーを浴びて。
自分の身体に残された痕に、
彼女が気がついたなら。
怒ったり、呆れたりするだろう。
そうしたら、謝って、機嫌を取って。

あのときから、俺が本当にしたかったことを
存分にして、先生を甘やかそうと決めた。









end.

















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