注意!
アンケートフォームで四位を獲得した項目《えろい》。
反映させようにも、お題との絡みもありまして、
結果、草薙が若干鬼畜かつ暗いです。
そ、そんなの草薙じゃない! と思われる方。
えろは苦手・・・と思われる方、
くどいようですが、スクロールしないで、
ブラウザの戻るでお戻りください。
たいしたことはしていませんが・・・(from かみや)
「ああっ・・・、ひ、や、ぁっ」
ぐちゅり、と濡れた音がする。
先生は耳を塞いで、目を固く瞑った。
外界からの情報を遮断して、
自分の殻に篭るかのように。
オバケを怖がる小さな子どものように、
心底怯えて震えていた。
俺は小さく苦笑して、
宥めるように瞼にキスを落す。
「センセ・・・俺が、そんなに怖い?」
ナイフを握り、どこぞのチンピラを
叩きのめしても。
怯えながらも、真正面から俺に向き合った、
先生が・・・本当に、怖がっている。
普段さりげなくかっちりと着こなしいる
スーツは、酷く乱れていた。
ストッキングは破れ、白いシルクのブラウスは、
ボタンが引きちぎられている。
酷い有様だったが、彼女の体に傷はつけていない。
見えないところはキスマークで
散々に飾り立てられていたが。
草薙の部屋で、
草薙の下で、
南悠里は組み敷かれ、
泣いていた。
「いつだって、アンタは俺の味方だった・・・。
まだ、俺を庇ってくれるのか?」
皮肉を含んだ口調で、語りかけても、
彼女はほとんど聞いていない。
受け流すだけで精一杯なのだ。
これが、初めてという訳でもない。
初めてのときは、激しく抵抗し、
泣き叫んでいたが、
今はもう、静かなものだった。
黙って受け入れて、
ことが済むまで大人しくしている。
秘部に触れる。
下着は湿っていた。
上から、そっとなぞるだけで、
指はとろりとした液体を絡め取る。
施された愛撫に弛緩した肉体。
「随分、感じやすくなったよな・・・嬉しいぜ」
「お願い・・・やめ・・・」
震える声が紡ぎだす哀願に、
草薙は耳を貸さない。
「ヤダよ・・・だって、先生は嘘を吐いてる。
本当にして欲しいことを《お願い》してみろよ?
カラダの方が、正直なんだからさ、先生は」
執拗に先生、と繰り返すのは。
それが彼女を苦しめると知っているから。
―― 俺は、大好きなものと結ばれない運命でも
背負っているのだろうか・・・。
「・・・呆れたりしないぜ? 俺は。
言ってみろよ・・・」
正直で・・・優しい体は、
彼女の心と意志とを裏切って、
俺に服従する。
ベッドに腰掛けて、痴態を眺める。
俺が離れたことに気がついて、
悠里はやっと、目を開けた。
「目を閉じたところで、
俺とベッドにいるのに変わりはない。
俺の目に映るアンタは最高に色っぽいよ」
「・・・私は・・・もう、」
深いキスで口を封じる。
「アンタの意志なんて、もうどうだって良いんだよ」
アンタの心とか、気持ちとか。
そういうのも、もうどうだって良い。
欲しがっても手に入らない。
信じていたものには、裏切られる。
そんなのばっかりだ。
「でも・・・、アンタの体は凄く好きだ」
誰よりも、何よりも俺を欲しがる。
例えソレが、快楽に対する生理的な反応でもかまわない。
酷く、興奮する。
先生は、涙を零す。
久しぶりに、見た。
「熱くて、苦しいだろ?
アンタの体はそういうふうに出来ているんだ。
俺が、そういうふうにしたから、分かる。
素直に欲しいって言ってみろよ。
可愛がってやるから・・・」
伝染したストッキングの、
独特の触感を楽しみながら。
綺麗に服を脱がさないのは、
何故だろうと考える。
きっと、壊したいから。
取り済ました、教師としてのプライドを
ズタズタにしたいから。
ベッドの中では。
関係ない。
「・・・ほら、俺しか、聞いてないよ」
優しく、誘惑すると、
「・・・はじめく・・・欲しい」
彼女は小さく囁いた。
よくできました、と唇にキスを落として、
彼女は唇へのキスへは、熱心に応えるのだと気が付いた。
道徳が、何の役に立つ?
友情も、信愛も、情熱も、
報いられないというなら、
せめて愛するものが失われる前に、
自らの手で壊してやる。
道徳で欲望は縛れない。
人間を動かすもっとも強い力は。
モラルに潔癖な怒りを抱く、
彼女は今、俺を憎んでいるだろうか?
『・・・一君、無茶はしないでね』
ケンカをする度に、
同じ言葉で彼女は俺を咎めた。
暴力は嫌いだ、
ひとを傷つけるな。
一通りの説教の後で。
俺は、その言葉だけは
何故か気に入っていたのだ。
その言葉に含まれる、純粋に
俺を案じている、彼女の気持ちだけが。
・・・もう二度と、聞けないけれど。
体を重ねて、つなげた後で、
そのぬくもりが離れるのを惜しむ。
揺さぶりながら、部屋に響く荒い息が溶けて混じって。
「欲しい、って・・・言えよ、悠里」
睦言に紛れそっと名前を呼んではみても、
彼女にはそれは聞こえない。
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